現在私が目指している福岡国際マラソンは、フルマラソンで2時間35分を切る持ちタイムが必要と、かなり高い出場基準が設定されています。

同様に女子マラソンの世界ではも持ちタイムによって、出場できる国際マラソンがいくつかあります。

昨日開催された大阪国際女子マラソンもそんな大会の一つで、フルマラソンだと2時間10分、ハーフマラソンだと1時間28分以内と、出場のために高いハードルが設定されている大会です。

素晴らしい走りを見せた小原怜選手でしたが・・・

昨日観戦していた大阪国際女子マラソンで、ほとんどの時間テレビに映り続けていたランナーが、天満屋の小原怜選手。

小原選手はスタート直後よりずっと先頭集団で走り続け、後半30キロ過ぎからはアフリカ勢の二人の選手と三つ巴の展開になりました。

そして30キロ過ぎと、35キロ過ぎの二度のタイミングで、ペースを上げ積極的に仕掛けたものの、スパートをかけたタイミングで強い向かい風が吹いていた事もあってか、思うように引き離せず。

最後はエチオピアの選手に振り切られ、惜しくも2位に終わってしまったものの、後半大失速するランナーが多い中、日本人選手としてはダントツのトップでのゴールタイム・2時間25分45秒と見事な走りを見せてくださいました。

・・・はずなのですが、その後の小原選手のインタビューでは「消化不良に終わった・・・」などと反省の弁ばかりでした。

大きな挫折を乗り越えた小原選手の走りに大きな刺激

小原選手はリオ五輪の女子マラソン日本代表を賭けた2016年3月の名古屋ウィメンズマラソンで、第一生命の田中智美選手とのデッドヒートの末、1秒差で優勝、そしてオリンピック出場権を逃しました。

そしてその翌年2月には脚小指を骨折してしまい、一時は走り方すらわからなくなり、思うように足が動かなくなってと、なんども走るをやめれば楽になると思ったそうです。

そして今月はじめにも30km走を終えた翌日に、腰を痛めてしまい、一時期は大阪国際女子マラソンへの出場辞退も難しい状況となったようです。

小原選手は昨年の名古屋ウィメンズマラソン、そしてベルリンマラソンで2時間27分台の記録を2度出した事で、すでにワイルドカードで東京オリンピック出場をかけたMGC出場権は得ており、出ないという選択肢もあったはずでした。

・・・にも関わらずリオ五輪出場権をあと1秒で逃した勝負弱さを払拭するべく、「走れるかどうかでなく走るんだ」という強い思いを持っての出場。

その結果はまたしてももう一歩のところで優勝を逃してしまったわけですが、逃げずに出場しただけでも大変なことなのに、二度自ら仕掛ける積極的な攻めのレースを展開した小原選手に、私自身大きな刺激をいただきました。

小原選手の走りから得た大きな教訓

そんな見事な走りを見せてくださった小原選手ですが、指導者の竹富監督からは「行き切るだけの思い、最後失速してもいいという覚悟がない」・・・とかなり厳しい言葉。

世界で戦うトップクラスの世界は本当に厳しいものだな・・・と思うとともに、この竹富監督の言葉、今の私にこそ言い聞かせたい言葉だと思いました。

ここ最近の私のレースと言えば、前半より後半の大失速を恐れてペースを抑えて入ったわりには、結局後半大失速する展開がほとんど・・・

そんな私には当然のことながら、行き切るだけの思い、そして失速してもいいという覚悟など、全くもってありませんでした。

ただこれから私が男子マラソンでは間違いなくトップクラスの大会・福岡国際マラソン出場権を獲得するためには、その強い思いと覚悟が必要不可欠だと気づかされました。

何度も訪れた挫折を乗り越え、今回もまた悔しい思いをされた小原選手が、MGCで今回の悔しさを存分に晴らす走りを見せてくださることを心から期待したいと思っています。

そして私自身も1週間後に迫った紀州口熊野マラソンに向けて、そろそろ本気の思いと覚悟を固めていかなければならない時期に差し掛かっている気がしています。

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