
フルマラソンを走り切るためのスタミナをつけるためには、長い距離を走り込むしかない。
そんな事をずっと思っていたのですが、なかなか走る時間のとれない市民ランナーの中には、長い距離を定期的に走るのは難しい方もかなりいらっしゃるはず。
そんな方にも大きな希望をもたらしてくれる理論が、ここ最近よく聞かれるようになってきました。
大迫傑選手のスタミナアップのためのトレーニング法
今年のシカゴマラソンでマラソン日本記録を更新し、テレビでも見る機会が多くなった大迫傑選手。
大迫選手は「ナイキ オレゴンプロジェクト」というチームで、世界トップクラスの選手ばかりとともに、時代の最先端を行くと言われるトレーニングを行なっています。
そんなオレゴンプロジェクトで重視しているのが、400mや800mと短い距離を全力に近い、レースペースより速いペースで走る練習。
この練習をアフリカ勢のスピードに負けないために実施しているのかと思いきや、それだけではなくスタミナ強化のために実施しているとのこと。
見ていたテレビによると、こうしたかなり速いペースで走る練習を行うと、乳酸が多く生成されるのですが、ミトコンドリアは乳酸が大好物。
なので乳酸が増えると、ミトコンドリアが増え、スタミナ強化に大きくつながるという事が紹介されていました。
ミトコンドリアとは
ミトコンドリアと言えば、小学生時代に名前くらいは聞いた事がありましたが、それほど詳しい事は覚えようとも思いませんでした。
ただマラソンを続けていると、結構よく聞く用語とも言えるのですが、ミトコンドリアとは細胞に含まれるエネルギーをつくる器官で、「エネルギー生成工場」とも言われています。
ミトコンドリアは酸素を使って「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギーを作るのですが、このATPはマラソンにおける最重要エネルギー。
このATPを多く生成する事ができれば、長い距離を走り切るスタミナがつくというのは、想像に難くありません。
そしてATPを生成するミトコンドリアが体内に多くあれば、スタミナがつくというのもかなり頷ける理屈です。
ミトコンドリアを増やすには?
ミトコンドリアはエネルギー切れを起こすほどの、かなりきつい運動をした時に増える性質があるようです。
激しいトレーニングでは、ミトコンドリアがエネルギー源として細胞に送り込まれてくる糖質をエネルギー(ATP)として処理しきれず、乳酸が多く生成されます。
そして運動中にはミトコンドリアは増える事はないそうなのですが、運動を終えた後に、体内に乳酸が多く生成されるほどの厳しい状況にまたなってしまわないよう、将来に備えてミトコンドリアが細胞内に増えていくようです。
ちなみに私がマラソントレーニングの中で、最も乳酸を生成するほどきついと思っているのが、全力に近いペースでの疾走と完全休養を繰り返すレペティション。
この事が、昨日霞ヶ浦緑地公園にて500mレペティションを実施した大きな理由の一つでした。
ミトコンドリアを増やすためのメニューはほかにもある
ミトコンドリアを増やすためのトレーニングはレペティションだけではありません。
私の場合、レストの短いインターバルだと、なかなか自分を追い込めず、ペースを上げきれず、また多くの本数もこなせずと中途半端な練習になってしまう可能性が高いため、レペティションをミトコンドリア量アップのためのトレーニングとして考えています。
ただしっかり自分を追い込めるランナーの方なら、多分400mや800mインターバルの方がより効果があるような気がします。
また他にもエネルギー切れを起こした状態で走り続けるトレーニング方法はまだまだありそうという事で、今後は「ミトコンドリア量アップ」も大きなテーマとして練習メニューを考えていこうと思っています!!